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Business introduction

事業紹介

完全無欠の一級品に後を託しひっそりと表舞台を去る素材

あなたはご存じですか。市場に出回らず、ひっそりと泣く泣く廃棄されていく布生地があるということを。
わずかな傷や色のムラさえ許さない。それは、高級品を誇る日本のものづくりにとって当たり前の基準。
徹底した品質検査によって、製造過程で一定数生じる微細な「違い」は、基準未満の等級である「C反(しーたん)」と呼ばれます。

その基準は大変厳しく、たったひとつ小さな汚れや織り目の誤差だけで、10mの布地全てが廃棄対象だと判断されることもあるのだとか。

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Revive your spirit「リバイCクロス」の挑戦

「廃棄が日々積み重なる。膨大な資源の浪費でしょう。しかもC反は、焼却・埋め立てといった形で処理されることが多い。
環境負荷や事業者の経済的損失も見逃せない。
何より、まだ使えるものを廃棄するしかないなんて、本当にもったいないことだと思いませんか---」

沈痛な面持ちで静かに熱く「リバイCクロス」創業の経緯を語る田辺栄治さん。今回は、加賀市イノベーションセンター内、C反が所狭しと保管されているオフィスに伺って、創業の経緯と今後の事業展開についてお話を伺います。

「C反を活用し(Cloth)、自身の変革(Change)を図り、必ず再起する(Revive)」という想いを社名には込めました。事業を通じて社会に新たな価値を提供したい---」
 

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廃棄という運命の糸を解き心を包み守る布へと織り直す

「C反を廃棄する。その背景も理解はしているんです。世の中の製品は、一定の品質が保たれた規格品であることを前提として価格設定がなされています。
仮にこういった製品市場に対してC反でつくった類似製品を投入するとどうなるか、想像してみてください。
場合によっては、高品質な正規品を排除する致命的な価格破壊を起こす可能性があるんです。そうすると場合によっては、高品質な正規品を排除する数命的な価格破壊を起こす可能性があるんです。そうするとせっかくの高品質な物が売れなくなり流通しなくなってしまうかもしれない。なので、どの市場にも影響を与えない新機軸を開拓しなければいけないというわけです」

一歩進んで二歩下がる、そんな日々を繰り返し、時間だけが過ぎていくような焦燥感に苛まれたこともあると振り返る田辺さん。ある日、ふと浮かんだ「防災用袋」というタテ糸に様々なアイデアのヨコ糸が通る可能性を見出しました。

「SDGs の観点からも有意義な製品になるはずだと確信一それに、寝袋としてだけでなく、目隠しとして非常時のプライバシー確保にもいいだろうな一止血や怪我の応急処にも使えるようにしようーアイデアがどんどん膨らむんです」

ようやくまとまった新たな製品の構想を加賀市に持ち込んでみたところ好評を獲得。その勢いで試作開発に着手ーその矢先の出来事でした。
能登半島地震。
アイデアをもっと早く形にできていれば一田辺さんの被災地を想う気持ちと製品を世に送り出し役立てるのだという覚悟は、ググッと握りしめられた試作品のシワからも推し量ることができました。現在は、補助制度を含め加買市からの一層の支援を受けつう、製品化に向けた専門家との打ち合わせも進め、着実に前進を続けています。

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未来に掲げる腕、集う仲間利害間係を超えて紡がれる絆

C反の活用は、既存製品群への影場も考慮する必要があり、関係各社の動向も加味した繊細な対応が求められる難しい取り組み。ですが、田辺さんの想いと覚悟が伝わったのか、ある地企業からはこんな声も一

「田辺さんが率先して旗を立ててくれたからこそ、我々も協力しようとまとまったんです。C反の用途は限られている、そう思い込んでいた。
これが新しい製品として生まれ変わるだけでなく、能登復興にも協力・貢献できるという話にまで一こんなに素晴らしいことはない」

本誌の取材も快く受け入れ、丁寧に工場見学まで対応いただいた企業。
そして防災用品のあるべき姿を熱くあり合う技術者や専門家の姿。田辺さんを突き動かす「Revive」の鼓動は波紋のように多くの人の心に深く響きながら広がっているようです。

「立ち上げたばかりで実績も形もないのに、僕の取り組みに共感し、協力してくださる方々の優しさと力強さ一本当に感謝しています。試作はしぱらく時間がかかるだろうからと横証に必要な素材を供給してくださる方もいれば、親身になって企画・改良に力を貸してくれる方もいます。ひとつひとつひとりひとりの想いが積み重なって今がある一」

迷い、苦しみながらも、未来の希望を目指して突き進む田辺さん。さらに続けて、能登の繊維工業の復興にも想いを寄せていると語ります。

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必要とされるモノ、コト新たな価値をともに目指して

「能登にも生地製造や確製の技術を持っている方が多くいらっしゃる。でも、地震をきっかけにいくつか廃業したという話も聞きました一私たちは、まずは広く選く製品を供給することで能登の支援に動きます。
事業として軌道に乗れば、今度は能登にモノではなく仕事を供給できるかもしれない。能登を主役に、能登の防災用品だという形にだってできるはずなんです一皆さんにとって本当に必要とされるものを作りたいんです。そして、こうした取り組みを続けていくことで新たな価値を提供していけたらと思うんです」

そんな思いを胸に日々着々と前に進む、田辺さんの第一印象は、バイタリティ溢れるパワフルな人。一方で、協力者の助言を素直に受け止め咀嚼する場面や、感謝を絶やさない気持ちの良い応対から、その人柄に惹かれて「自分も何かできないか」
と協力を申し出る人の気持ちがわかるような気がします。

今回の取材を機に、私もこの取り組みを応援しようと心に誓うひとりとなったのでした。
 

新たな出会いを心から楽しみに

私は、周囲の多くの方々の温かい支援によって支えられてきました。そのおかげで、今の地点に辿り着くことができました。しかし、私の知識や人脈はまだまだ発展途上であります。もし私の取り組みに少しでも興味をお持ちでしたら、ぜひご連絡ください。新たな出会いを心から楽しみにしており、一緒に成長できる機会をお待ちしています。

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